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<韓国・中国勢を迎え撃て> 女子ゴルフ、時代を変えるヒロインたち。~森田理香子、吉田弓美子、木戸愛~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2012/11/08 06:01

<韓国・中国勢を迎え撃て> 女子ゴルフ、時代を変えるヒロインたち。~森田理香子、吉田弓美子、木戸愛~<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

昨年まで未勝利だった、吉田の躍進を支えたものとは?

 吉田は昨年まで未勝利で、獲得賞金も1816万5823円('11年)が最高と、ぎりぎりでシードを確保している選手だった。以前は「予選を通れば満足」という気持ちがあったことを本人も認めている。しかしプロテストに合格して3年、今年は「上位で戦いたい」という欲が出てきた。

 トップ10入りを2度記録したあと、8月のNEC軽井沢72で、ジャン・ウンビとの6ホールにわたるプレーオフを制して初優勝。パットを苦手にしていたが、この試合から本格的に使いはじめた長尺パターがフィットしたようで、9月の日本女子プロ選手権で3位、10月のマスターズGCレディースで2位タイ。獲得賞金もすでに5363万6975円となり、6000万円は突破するだろう。

 今年は熱を出して練習を休んだり、体調が万全でない時があっただけに、年間を通してコンディション調整がうまくいけば、1億円プレーヤーになる可能性も十分だ。

粗削りな木戸が、日本女子OP最終日での大叩きから学ぶべきこと。

 そして木戸は、まだ粗削りながら7月のサマンサタバサGCレディースで初優勝を遂げ、一気にスター候補に名乗りを挙げた。賞金女王当確の全美貞と競り合っての優勝で、プロレスラー木戸修氏を父に持つことから、幅広いファン層にアピールする存在だ。

 平均パット数が1.85回で全体の60位。それでも優勝したのだから、ショットがいかに優れているか分かる。10月の日本女子オープンでは3日目を終わって首位タイに立ちながら、最終日はラフから攻めすぎて失敗を重ね、80の大叩きで結局24位タイに終わった。コース戦略を学び、本当の積極性とは何かを理解すれば、間違いなく成長できる。

 今後この3人が、日本勢の存在感を高めてくれそうだ。

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森田理香子
吉田弓美子
木戸愛

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