「想像してもうまくいかないことしか浮かんでこない」

　石川は2月の米ツアー、AT&Tペブルビーチ・ナショナルプロアマでペブルビーチでプレーしたが、コースセッティングはその時とは天と地ほどに様変わりしているはずだ。予選落ちした同大会の直後には不安な気持ちを素直に語っていた。

「今の自分の技術では、ここで全米オープンが開催されるというだけで怖い。通用するクラブ、シチュエーションは思いつかなかった。想像してもうまくいかないことしか浮かんでこない」

　あれから数カ月が経ち、日本ツアーで58を出そうとも、いまだ全米オープンで戦えるという自信は芽生えてはいない。

「あまり素晴らしい成績は期待できない。出るからには優勝争いを目指すけど、それが現実になる可能性は一番低い大会だと思う」

　それでも石川なら何かを起こすかもしれない。そんな期待も捨てたくはないが、結果だけにこだわる必要はないのかもしれない。「世界一難しいセッティングでもまれて一回り大きくなって帰ってきたい」という石川が、ペブルビーチでどんな『字』を見いだすのかにも興味は湧くのである。