W杯紀行 思えば南アへ来たもんだBACK NUMBER
南アの人はマラドーナが異常に好き!?
W杯メインスタジアムは未だ完成せず。
text by
竹田聡一郎Soichiro Takeda
photograph bySoichiro Takeda
posted2010/06/04 10:30
サッカーシティは南アW杯のメインスタジアムとなる。外壁の素材はすべてエコロジーを考慮された板が使用されている
では我らが岡田ジャパンの評価は南アでどうなのか?
それでも彼らはめげずにこする。「ノーマニー♪ タイヤードォ~、ハングリー♪」と妙な節をつけて歌いながら。
この作業の意味は結局最後まで分からなかったけど、彼らの努力が開幕までに報われることを祈る。こんな有様で本当に大丈夫なんだろうか?
開催国の現状はこんな感じなのだが、その一方、我らが岡田ジャパンの南アでの評判はどうなのか。
ほとんど注目されていない……評価どころか噂さえ聞いたことがない。
30日のイングランド戦こそテレビのニュース番組でハイライトが流され、翌朝には地元紙『The Citizen』にカペッロが両手を広げて叫ぶ姿に“England gifted a victory”という見出しの記事が掲載されたが、あくまでイングランド主体の記事だった。
5月24日の日韓戦など、両国がW杯に出場する重要なテストマッチだというのに、毎週水曜発売のサッカー専門新聞『SOCCER』には“JAPAN 0:2 SOUTH KOREA”というデータがたった1行載っただけである。
アジアの選手にはまったく興味が無い南アの人たち。
では、現地の興味はどこにあるのか。
まずチケットの売り上げでは、南アフリカは当然1位だが、ブラジル、イングランド、アルゼンチンと続く。この3チームは南アのチケット市場では「BIG3」と呼ばれている。
選手個人としてはどうかというと、5月23日の新聞『Sunday Times』では“CREAM OF THE CROP(厳選された人)”というタイトルで、50人のスター選手を独自に選出している。
堂々の1位はメッシで“Messi could emerge as the best player in South Africa next month.”と評している。
2位にはルーニー、3位にクリスティアーノ・ロナウド、4位にカカ、5位にドログバ。ランキングをなぞっていっても、パク・チソンをはじめとしたアジアのスターたちの名前が見つからない。俊輔も本田もチョンテセも、これっぽっちも名前は挙がってこない。まあ、ロビーニョが39位、グルキュフが49位といったラインナップを見ると割り込む余地はなさそうではあるが。