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金以外のメダル獲得数は予想以上!?
日本競泳陣、ここまでの難しい結果。 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2012/08/03 12:20

金以外のメダル獲得数は予想以上!?日本競泳陣、ここまでの難しい結果。<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

200m平泳ぎ決勝で、3位に入った立石(写真右)と、ゴール直後にそれを称える北島。3連覇こそならなかったが「自分らしい泳ぎができたので悔いはないです」と語っている。

日本選手権のタイムをもう一度出せばメダルは獲れた!?

 こうした結果を見ると、4月の時点で世界ランキング1位から3位を出した選手は、オリンピックでそのタイムを少しでも上回ればメダルを獲っているし、タイムを落とした選手でも、下がった幅が0秒1程度であれば、やはりメダルは獲っている。

 17歳の萩野のように、オリンピックで自己ベストを大幅に更新した選手もいるが、そのような大飛躍がなくても、日本選手権で「メダル候補」になった選手であれば、そのタイムをもう1度出せば、やはりメダルは獲れるということだ。

北京五輪で5個だったメダルは、ロンドンで9個に増えているが……。

 北京五輪と比較すると、北京では金2、銅3でメダルは5個だったが、個人種目でメダルを獲ったのは北島康介、松田丈志、中村礼子という、オリンピック出場2回目以上の、経験ある社会人選手3人だけだった。

 今回は北島の2冠獲得といった偉業こそなかったものの、メダルを獲った選手が7人もいる。しかも高校3年の萩野、大学4年の鈴木といった、オリンピック初出場の学生選手も含まれている点が、北京より内容が濃いところと言っていいだろう。

 ただ、気になるのは、メダル候補ではなく、決勝進出を目標にしていた若い選手たちの中に、オリンピックで自己ベストを出した選手がいなかったことだ。

 自由形の上田春佳、バタフライの加藤ゆか、平泳ぎの松島美菜、渡部香生子、個人メドレーの加藤和、大塚美優、高橋美帆といった選手たちが、日本選手権の記録を上回ることができず、1人も決勝に残れなかった。

 前回の北京五輪は、そうではなかった。

 男子200m自由形7位の奥村幸大、100mバタフライ6位の藤井拓郎、200m個人メドレー5位の高桑健、女子200m個人メドレー6位の北川麻美といった選手たちは、それぞれ日本選手権の記録を大きく上回る自己ベストを、オリンピックの決勝で出している。'08年は、4月の日本選手権では「高速水着」のレーザー・レーサーがまだ普及しておらず、8月のオリンピックの時には多くの選手がこれを着用した。このため、水着が記録の伸びを助けた面もあったかも知れない。しかしレーザー・レーサーを着ても記録が伸びなかった選手もいたのだから、やはり、メダル候補以外の選手が躍動したという意味では、ロンドン五輪より、北京五輪の方が成功した大会だったと言える。

【次ページ】 なぜメダル候補以外の若手選手が伸びなかったのか?

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