F1ピットストップBACK NUMBER
天才達と戦う“フェラーリの”浜島裕英。
敵はニューウェイ? それとも……。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2012/06/29 10:31
「フェラーリでチャンピオンを獲った二人に囲まれるアロンソ選手の男泣きの表彰式は最高でした。こちらまでウルッと」と自身のツイッターでコメントした浜島裕英。
「今回の優勝は、ドライバー様々です」と称賛を送る。
「彼は本当に熱心。セッションが終わると、これでもかというほど、いろんなことを尋ねてくる。今回のレースも、2ストップだと最後は結構つらくなると予想していて、ライバル勢は実際、それで苦しんだわけですが、アロンソは時々ペースを落としてタイヤをクールダウンさせて、最後まで持たせていました。バレンシアはモントリオールのように摩耗によってタイヤの寿命が終わるのではなく、熱ダレ(オーバーヒート)でタイヤがダメになる。だから、苦しくなったとき、バトルしていなければ、少しペースを落とせば復活するんです。今回の優勝は、ドライバー様々です」
名門を復活させるためにイタリアに渡った浜島。「まだまだやらなければならないことがある」と、今季2勝目にも踊ることなく、レース後も使用されたタイヤを観察。その顔からは大量の汗がしたたり落ちていた。