Jリーグ観察記BACK NUMBER
原口元気の問題は他人事ではない!?
Jリーグが取り組むべきメンタルケア。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byToshiya Kondo
posted2012/02/14 10:31
浦和レッズのユース出身の原口は、2月5日に行われたファン感謝イベントで「自分の幼稚な行動で去年はたくさんの人に迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ありませんでした」と、事件について謝罪した
選手の立場を知る元Jリーガーに適任の分野だが……。
昨季、ブレーメンがブンデスリーガの残留争いから抜け出すのに一役買ったイェルグ・レールは、元ハンドボールドイツ代表だ。2度のブンデスリーガ優勝を経験し、代表キャップ数は94を誇る。引退後にモチベーショントレーナーの会社を立ち上げ、ハンドボール、サッカー、ビジネス界など幅広い分野で活躍している。
いくら専門知識があっても、大学で心理学を学んだだけのトレーナーだと、なかなかプロ選手は耳を傾けない。もちろんヨーロッパには学業面からアプローチして成功を収めているメンタルトレーナーもたくさんいるが、選手としてトップで戦った経験があると、より現場で信頼関係を築きやすいのだ。
ヴィッセル神戸を引退した宮本恒靖が欧州に留学してFIFAマスター(スポーツに関する組織論、歴史・哲学、法律についての国際修士)を取得することを目指しているように、日本サッカー界でも現役を終えた後のキャリアが多様化し始めている。
今後、日本サッカー界のメンタルケアの分野をさらにレベルアップするためにも、Jリーグで活躍した選手がメンタルトレーナーを目指すのも悪くないのではないだろうか。きっとその分野に向いた人材が、たくさんいるはずである。