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なぜレンジャーズが獲得したのか?
ダルビッシュを巡る選手補強の裏側。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byNaoya Sanuki

posted2011/12/22 11:00

なぜレンジャーズが獲得したのか?ダルビッシュを巡る選手補強の裏側。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

日本が連覇を果たした2009年の第2回WBC。アメリカと対戦した準決勝では、ドジャースタジアムにダルビッシュの勝利の咆哮が響きわたった。アメリカの野球ファンの目にも、くっきり焼き付けられたはずのシーン

MLB大型補強市場の動きに“変化”あり!?

 またこのオフ、レンジャーズ、ブルージェイズだけでなく、積極的な補強に着手したのがエンゼルスとマーリンズだ。

 これまではヤンキース、レッドソックス、フィリーズなどのマーケティング能力のある、限られたチームの専売特許だったが、その動きに明らかな“変化”が現われている。

 どんな資金力があるチームといっても、限界はある。長期大型契約を結ぶ選手を何人も抱えているチームは、必然的に余剰資金が少なくなる。ここ数年で大型補強を繰り返した上記3チームはその典型だ。

補強費の資金源はテレビ放映権と新球場による収入増。

 実は今シーズンの年俸総額が全体4位だったエンゼルスも、元々は決して資金に余裕があったわけではない。だがウィルソン、アルバート・プホルス選手獲得という離れ業を実現できたのは、つい最近合意に達したFOXスポーツとの長期放映権契約だった。

 両選手の入団会見を行なった席でも、オーナーのアート・モレノは「FOXのお陰で我々は次のステップに進むことができた」と真っ先に謝意を表わしている。

 これまで比較的に資金力不足だったマーリンズがヒース・ベル投手、ホゼ・レイエス選手を獲得できたのも、いうまでもなく理由がある。来シーズンから使用する新球場から見込まれる収入増を見越して、補強資金を上乗せしたためだ。かつてペドロ・マルティネス投手、カルロス・ベルトラン選手を同時獲得したメッツも、まさにこの手法を利用したものだった。

 まだレンジャーズはダルビッシュとの交渉権を得ただけだが、ここで説明した通り彼らは必死になって契約合意を目指していくだろう。ダルビッシュのメジャー移籍は可能性大だとみていい。いずれにせよ今年のストーブリーグはまだまだ面白いことになりそうだ。

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