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“孤高の新大関”稀勢の里、
活躍の鍵は亡き師の言葉。
~大相撲、波乱の一年に幕~
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKYODO
posted2011/12/11 08:00
琴奨菊に敗れた稀勢の里は、土俵下に転がり落ちると右の拳で床を叩き悔しさを顕にした
一年納めの大相撲九州場所は、なんとも締まりのない形で幕を閉じた。横綱白鵬は13日目にして早くも21度目の優勝を決めたものの、双葉山と大鵬を抜く全勝優勝9度目の新記録を目前に、把瑠都にそれを阻まれた。場所前、「この1年、相撲界ではいろいろな問題があった。振り返ると、まだ心も体も疲れが抜け切れていないように思う」と吐露していた白鵬。そんな心の隙が、最後の土俵に垣間見えてしまったような一番だった。
一方、新大関としてご当地場所に上がった琴奨菊には、初優勝が期待されたが、10日目から4連敗。「満足してます」とのその言葉には、今後の奮起を促したい。