自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
台風一過の“多摩サイ”を下る。
河川敷の自転車道は戦争状態!?
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2011/10/01 08:00
多摩川の河川敷はどこまでも長く、広々しているのだが……意外や自転車乗りにとっては受難の道であった
突然の豪雨に備えて川から離れ、一路「246」へ。
二子玉川から、国道246号を一直線に渋谷だ。
河川沿いを行くか、迷ったんだけど、ここまで雲が垂れ込めていると、やはり「突然の豪雨! なんてことになったりしたら、自転車たたんで電車に乗ろうっと」ということで、鉄道路線沿いに行きたくもなる。
というわけで、多摩川沿いの大田区、羽田空港行き路線は、却下。二子玉川から、用賀、桜新町、駒沢大学と、246沿い、なんだか「お馴染みの通り」をのぼっていくことにした。この通りはやはりね、東京屈指の自転車フレンドリーな通りで、つまりはスピードを出しやすい。ひょっとしたら電車と同じくらいの時間で行ける。
あと、246の非常に優れた点は、ドライバーの多くが「自転車は車道を通るもの」ということを理解していることだ。
時折、地方ナンバーのトラックなどが、ワケの分からんクラクションを鳴らして通り過ぎていったりする。今回も1台だけいた。パッパーァァァという大音声かつ、ちょっと長目のクラクションで(おそらく)わざとこちらを煽ってる。オラオラ、邪魔だ邪魔だ、チャリンコは車道走ってるんじゃねえよ、という感じ。道交法を理解していないことが見え見えだった。アタマにきたんで、すぐにナンバーを控えて、即、110番、トラック会社の名前とともに通報してやった。何らかの処分が下るであろう。ザマミロである。三重県ではいざ知らず(ウソ、三重県でも同じです)、帝都東京では自転車は堂々車道を走るものなのだ。
フォールディングバイクのBD-1が、そろそろ本領発揮か?
さて、三軒茶屋を過ぎて、池尻大橋を越えたあたりで、いよいよ降り始めて、周囲が暗くなってきた。
ふーむ、このあたりでBD-1を折りたたんで電車かな……。とか思いながら、自転車乗りが必ずやるのは「まだ大丈夫」「もうちょっとなら行ける」と、いう行為だ。そのまま自転車に乗り続けてしまうのだ。私もそうした。
渋谷の谷(渋谷の街は文字通りの谷底にあります)を行きすぎ、青山学院前の坂を登る。坂の名は誰もが突っ込みたくなる「金王坂」。歩道橋の横にそう大書してある。
以前聞いた噂によると、青山学院の某サークル新歓コンパでは、必ず1年生が「金王坂」の文字に「、」を書きに行かされるのだそうだ。ホントかいなと思うが、私も一度だけこの金王坂に「、」が付いているのを見たことがある。