自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER

台風一過の“多摩サイ”を下る。
河川敷の自転車道は戦争状態!? 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

PROFILE

photograph bySatoshi Hikita

posted2011/10/01 08:00

台風一過の“多摩サイ”を下る。河川敷の自転車道は戦争状態!?<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

多摩川の河川敷はどこまでも長く、広々しているのだが……意外や自転車乗りにとっては受難の道であった

自転車の規制を考えるなら、必ず乗って確かめて!

 いったい何なんだろうか、こういう一連の自転車虐待施設は。

「世田谷区よ、お前もか!」とばかりに不調法な通行止め。これ、どうやって自転車は迂回すれば良いのだろう……

 この「通行止め」表示、恐らくは「車両(クルマを指す)がサイクリングロードに入らないように」と立てているんだろうけど、当の自転車にとって危ないのなんの。

 特にこの日のように、分厚い雲が立ちこめる曇天の場合は、鎖自体が見えないよ。参ったもんだ。

 こういうのを見ると常に思うんだけど、担当者は、まず自転車に乗ってから、こういうのをつくって欲しいのだ。自分で自転車に乗ってここを走れば、段差だの通行止めだのがいかに危険で、サイクリングロードのサイクリング的部分を削いでいるかが分かるから。

水と雨から逃れて多摩川と付かず離れず……。

 それにしても、水が多いなぁ。多摩川といえば、源流は山梨県と埼玉県の県境近くにある笠取山あたりだとされるんだけど、まあ、一般的にピンと来るのは奥多摩湖から流れ出る、というイメージだ。

 東京の最奥地・奥多摩湖に、山々から水が流れ込み、それがダム湖として溜まり、一本の河川として流れ出す。その川が渓谷を通り、数々の鉄橋の下を流れ、紆余曲折を経て、東京と川崎の間を流れている。そうそう、川崎多摩区のナシは「多摩川梨」という。その名の通り、多摩川が運んだ石などが礫層となり、その水はけの良さで、梨が名産になったのだそうだ。

普段は砂礫の河原がいくつか露出しているのだが、今日は奔流に呑まれております

 普段は穏やかな川なんだけど、あの大雨でものすごく増水している。ごうごうと急流になって流れる多摩川は、いつもの顔とまったく違った表情を見せている。この日、うっかり水に入ると、そのまま溺死だったろう。

 とか思っていたら、雨だ。「台風一過」どころか、いよいよ降ってきた。湿度も高くて空気が重いや。この後、雨脚が強くなることはあっても、絶対にやみそうにない感じ。

 これはもうやばいと、河川敷を離れることにした。こうして臨機応変に進む先を変えることができるのも、自転車ツーリングの良い点ではある。

クルマを運転すると、自転車の正しい振る舞いが分かることもある。

 というわけで、河川敷に並行して走っている「玉堤通り」に出た。相変わらずの渋滞中である。このあたりは本当に変わらんよなぁ。

 と、ことさらに言うのは、私は大学時代、このあたりの自動車教習所に通っていたからだ。あの頃からこの通りは常に渋滞中だった。今も渋滞中。

ウン十年前と変わらず、玉堤通りは今日も渋滞

 教習所には最寄りの駅からシャトルバスが出ていた。しごく短い距離なのにやたらと時間がかかった。あれから四半世紀。風景はちっとも変わっていないかに見える。

 それにしても、昨今の若い人々はクルマの免許を取らないんだってね。自転車人&エコロジストのヒキタとしては「おお、そうか、それでいいのだ。自転車で十分、電車で十分」なんて思ったりするんだけど、一方、免許なんて大学時代にとっておかないと、社会人になると時間がないぞ、なんて余計な心配をしたりもする。ドライビングに必要な運動神経だってだんだん衰えてくるし、その逆に若い時に覚えたものは忘れなかったりするものだから。

 また一方、昨今の無法自転車を見るにつけ「おまえ、免許持ってないだろ。クルマがどういう動きをするか、分かってないだろ」と思うことも多いもので。

【次ページ】 多摩川の中に「島」発見!!

BACK 1 2 3 4 5 6 NEXT

この記事にコメントする

利用規約を遵守の上、ご投稿ください。

他競技の前後のコラム

ページトップ