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相撲人気復活の起爆剤と
なり得る力士は現れるか?
~9月場所をめぐる2つの論点~
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKYODO
posted2011/09/10 08:00
青森の合宿中、日馬富士は鳴戸部屋への出稽古で「稀勢の里と良い稽古が出来た」と語った
先の名古屋場所が、実に半年振りの通常開催となった大相撲。来たる9月場所は、ファン待望の“殿堂”である両国国技館で開催される。
話題の中心は先場所14勝で2度目の優勝を果たした大関・日馬富士の綱取りと、同じくモンゴル出身力士の関脇・鶴竜の大関昇進だ。ただ「角界内勢力図大変動」として、注目度の高い場所であるはずが、前売り券の発売状況は振るわず。横綱・大関誕生を期待するムードも、今ひとつ盛り上がりを見せていない。
また史上3人目となるモンゴル出身横綱を狙う日馬富士だが、その横綱昇進基準に改めて異を唱える向きも多い。昇進には「連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」との内規があり、9月場所での日馬富士について、「準優勝でも14勝なら可能性はある」と、横綱審議委員長は明言している。