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数々のドラマが誕生した、
再出発の名古屋場所。
~大相撲“新時代”は始まるか?~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKYODO

posted2011/08/04 06:00

数々のドラマが誕生した、再出発の名古屋場所。~大相撲“新時代”は始まるか?~<Number Web> photograph by KYODO

14日目に白鵬を破り、優勝を決めた日馬富士。9月の秋場所では自身2度目の綱取りに挑む

 八百長問題の一応の決着を見て、実に半年ぶりの通常開催となった大相撲名古屋場所。大関日馬富士が14勝1敗で約2年ぶり2度目の優勝を飾り、横綱白鵬の8連覇達成を阻んだ。15日間のうち、3度も館内に座布団が舞う白熱した土俵とは裏腹に、満員御礼の垂れ幕が下がったのは千秋楽の1日だけ。観客動員数はまったく振るわない寂しい場所となってしまったが、その陰で相撲史上における数々のドラマが生まれた、注目すべき場所でもあった。

 千代の富士の通算勝ち星数1045勝の記録を1047まで延ばし、大相撲人気を牽引していた大関魁皇がとうとう力尽き、土俵を去った。引退記者会見では涙はなく、すがすがしい表情で、「やり残したことはない」と満面の笑みを見せた。その魁皇と「新旧交代」とでもいうように、同じ九州出身の琴奨菊は大関取りに挑んだ。横綱に土をつけたものの、昇進ノルマの12勝には届かず、チャンスを来場所に繰り越した。

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