「バルセロナとスペイン代表は世界最高の組織サッカー」

「ペップ（グアルディオラの愛称）が特別な負けず嫌いだということは仲間たちの間では有名だ。彼が美しいサッカーをすることよりも勝利を優先するということは、選手時代から変わらない。

　今、バルセロナとスペイン代表は世界最高の組織サッカーをしている。彼らのプレーは美しいが、それはより高いレベルで組織としてプレーすることを追求した結果に生まれた美しさだと私は思う。アブダビでのバルサはいつものようにゴールを量産するプレーはできなかった。だが、彼らは組織として機能することを追求したのと同じように、勝利への気持ちを最後の1秒まで絶やさなかった。

　ペップが率いるチームがそういうチームで、バルセロナに初めての世界タイトルをもたらしたことは偶然ではないだろう。彼は真の勝者であり、最高の監督だ。そんな彼が涙を流した姿は、とても情熱的だった。バルセロナへの愛情、勝利への強い気持ち、その二つがペップの気持ちのコントロールを失わせたのだろう。

　私が現役時代にも似たことがあった。レアルにとっては30年以上も遠ざかったチャンピオンズリーグ優勝を果たした時、言葉では言えない感情が湧いてきた。それが涙となって溢れることを止めることはできないんだ。　

　だから、もしも私が彼のアシスタントとして同じ場所にいたとしたら、間違いなく一緒に涙を流していただろうな」