リーガ・エスパニョーラの愉楽BACK NUMBER
アウェーで勝てず、ホームで強い。
堅守を武器に健闘するマジョルカ。
text by
中嶋亨Toru Nakajima
photograph byGetty Images
posted2010/01/16 08:00
試合前から雪が降り積もるピッチで行われた第17節R・マドリーvs.マジョルカ。前半8分、後半5分に失点し完敗したマジョルカだったが……
完敗したレアル戦で伝わってきたマジョルカの“強さ”。
10日に行われたレアル・マドリー対マジョルカ戦で、マジョルカはこれまで同様にコンパクトな守備陣形を敷いてレアルと戦った。だが、レアルの各選手が連動し、そこに個人技を絡めてくる攻撃を防ぐことはできなかった。
試合開始早々にイグアインの見事なシュートで先制を許すと、後半は枠内シュートすら放つことができずに0対2というスコア以上の完敗を喫した。だが、マジョルカの守備組織が崩壊したという印象は無かった。現時点ではバルセロナを上回るほどのレアルの攻撃力にこじ開けられただけで、軽率なプレーや連係ミスはほとんど無かった。それはマジョルカが今後も粘り強い戦いを続け、大崩れしそうもないことを窺わせた。
アウェーでは勝てず、それでもホームで勝利を重ねるマジョルカ。戦績だけを見れば奇妙なチームだが、彼らの試合を見るとチームとしての“強さ”や“粘り強さ”を感じる。そういうチームの試合というのは、最小スコアでもゴールを奪えなくても、見ていて元気が出てくるものだ。