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ロナウドとロナウジーニョ、どちらがお好き? 

text by

鈴井智彦

鈴井智彦Tomohiko Suzui

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photograph byTomohiko Suzui

posted2005/07/06 00:00

ロナウドとロナウジーニョ、どちらがお好き?<Number Web> photograph by Tomohiko Suzui

 仲間が、ひいひい言いながらドイツで汗を流していたとき、ロナウドはプールサイドでのんびりバカンスを過ごしていたみたいだ。しかし、ブラジル代表より休暇を優先させたロナウドを、誰も責めはしない。レアル・マドリーのキャンプは7月8日から始動。コンフェデレーションズ・カップ決勝まで進んだブラジル代表にいては、バカンスは1週間ぐらいになってしまう。もしそうなれば、新シーズン、疲れきったロナウドを拝むことになるのはわかりきったことだった。

 意外にも、プールサイドで海パン姿のロニーの身体は引き締まっていた。デブじゃない。それなりにロナウドも考えている。「もう一度、世界でもっとも優れた選手に戻りたい」と話しているぐらいだから。

 確かに、ロナウドなしでもブラジル代表は贅沢な顔ぶれだった。ロビーニョ、カカ、アドリアーノ、ロナウジーニョのアタッカーたちは、すでにロナウド先輩に追いつけ追い越せの状況にある。ずっとロナウドに憧れていたロナウジーニョが、キャプテンマークを腕に巻く時代になった。バルサに移籍したばかりのロナウジーニョが、ケガで欠場したバルサ対レアル戦で、ロナウドのユニホームをわざわざレアルベンチまでもらいに行ったのは、もう過去のことである。立場は逆転する。もう、しているかもしれない。だから、ロナウドは代表ではなく、レアルに照準を合わせて休暇を取ったのだろうか。スペイン・リーグに、ふたりもブラジルの英雄はいらんのだ、と。

 それにしてもロナウジーニョは、コンフェデ杯の華だった。いまのブラジルにとって絶対に欠かせない選手は、ロナウドではなく、ロナウジーニョだろう。ロナウジーニョなしのW杯制覇はあり得ない。日韓W杯で優勝候補だったフランスが、ジダンの負傷によって予選で姿を消したように。ロナウジーニョがいないブラジルは、ブラジルの国旗から黄色を取り除いたようなもんだ。

 FCバルセロナとて、状況は似ている。それだけにラポルタ会長はロナウジーニョと2014年までの契約を結んだ。9年後、ロニーは34歳。9シーズンでバルサの10番が手にすると言われるお金は、一説には26,249,000ユーロ。1ユーロ=約133円だから……。まぁ、とにもかくにも、すごい。

 コンフェデ杯では、ロナウジーニョだけでなく、スペイン・リーグでお馴染みの選手がドイツに集まった。準決勝のメキシコVSアルゼンチンでは、マルケスとサビオラの新旧バルサ対決が注目された。気がついたら、ふたりとも退場してたけど。

 アルゼンチン代表にはリケルメをはじめとするビジャレアルの選手がいれば、アイマールにサムエルもいる。23選手中、12人がスペイン・リーグなのだ。母国語が同じスペイン語であるし。でも、メキシコ代表はほとんどが国内リーグでプレーしているのも不思議だ。海外でプレーしているのは、マルケス(FCバルセロナ)とトラード(ラシン)のふたりだけ。

 「メキシコはアメリカよりも給料がいい。南米を入れてもアルゼンチンよりいいんじゃないかな」というのは、メキシコ人カメラマン。なるほど。しかも、メキシコ代表はコンフェデ後にゴールド・カップへ飛んで、休む間もなく8月からシーズンが再会されるという。「オレたちカメラマンも、休む暇がない」と嘆いていたが、あえて、彼のギャラは聞かなかった。

 コンフェデ杯は、見本市の役割も果たしている。ドイツではあらゆる国のクラブが目を光らせていた。スペインの移籍マーケット市場を、メキシコ人が騒がせてもおかしくはない。日本のナカムラにも、声がかかっている。また、サビオラにはアトレティコやシュツットガルトがオファーを出したというし、サムエルはインテル行きが濃厚だ。ロビーニョに関しては、なかなか話が進まないでいるけれど。

 また、早々とアトレティコにケズマンが決定したことは朗報だった。ユーゴで、オランダで、得点王に輝いてきたセルビア・モンテネグロ人はイギリスでの鬱憤を晴らしてくれるのではないだろうか。ぼちぼち、アトレティコの名門復活を願う。近年のマドリー・ダービーは寂しすぎるから。

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