野球クロスロードBACK NUMBER
巨人・大田泰示と日ハム・中田翔。
“記憶に残る三振”でレギュラーに!
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNaoya Sanuki/Hideki Sugiyama
posted2010/01/14 10:30
レギュラー獲りに欠かせないのは安定した守備力。
とはいえ、豪快な空振りをし続けていればレギュラーになれるわけでもない。打撃とはあくまでもセールスポイント。それだけなら代打要員で終わってしまう可能性だってある。
現段階でふたりに共通して言える最大の課題は守備だ。
昨年、大田本人に「今の課題は?」と尋ねると、「今の自分に必要なのは守りを安定させること」とそれを自覚していた。
「坂本(勇人)さんがレギュラーでやっていけているのは、バッティングはもちろん守備がうまいからなんです。エラーでの失点が一番チームに迷惑をかけてしまう。だから守りは、若い今のうちから意識して練習しないといけないと思っています」
年明けのスポーツ新聞の報道によると、打球の速さに対応するべくポケットの深いグローブを新調するなど、守備力向上に余念がない。意識は十分に高いようだ。
スレッジ退団でチャンス到来の中田は走塁にも課題が。
1年目から守備に疑問符がついている中田には今季、チャンスが巡ってきそうだ。これまでは内野手だったが、スレッジが退団したことでレフトを任される可能性が浮上してきた。干支にちなんで“虎柄”の髪型で登場し、周囲の失笑を買ったにせよ、「外野でレギュラーを取るために頑張る」と、成人式に出席せず自主トレに励むなど意気込みが感じられる。ただ、彼の場合は昨年のプロ野球対大学選抜との試合が象徴するように、お粗末な走塁もどうにかしたいところだが……。
大田、中田は若いが、「スター候補生」と呼ばれるだけに、他の若手より「候補」というテスト期間は短い、と捉えて研鑽を積んでいかなければならない。
2年目と3年目。持ち味である豪快なスイングでアピールしながら、課題の守備で首脳陣の信頼を勝ち取れるか? 本当のスターになるために、さらなる飛躍を誓ってもらいたい。