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広島ブラウン監督の奇策成るか!?
“夢のスタジアム”でCS進出へ。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2009/09/18 11:33
ブラウン監督の不思議采配も、勝てば「奇策」に昇格する。
そのブラウンの采配が、クライマックスシリーズ進出のカギとなるのは言うまでもない。正直、彼の采配には疑問の声が多い。今やお家芸となっている「内野5人シフト」はいいとして、成績が伸びない選手を起用し続けたり、一般目線では難解な継投をしてみたりと、細かく言ってしまえば枚挙にいとまがないが、これらも負けていたからこその批評であって、勝てば「奇策」として受け入れられる。
ブラウン采配の特徴としては、足を活かした機動力野球だが、接戦続きの現在においては総力戦が目立つ。
すべてを賭けた総力戦。“オール・イン”広島カープ。
総力戦――。これで思い出す言葉がある。就任1年目のチームのスローガンである「オール・イン」だ。就任当初、彼はこんなことを言っていた。
「ポーカーで勝利を確信したときにチップを全部投入して大勝負に出るだろ? それがオール・インさ」
総力戦=オール・イン。今シーズン、「Aクラス入りを逃せば来季の契約しない」と一部で報道されているブラウンだが、クライマックスシリーズへの確かな手ごたえを掴んでいる。手持ちのカードを全て投入する総力戦こそが、その意思表示なのだろうか?
阪神、ヤクルトとの6連戦、ブラウンのオール・インがどのような効果を生み出すのか楽しみだ。