日本代表、2010年への旅BACK NUMBER
コンセプトに縛られ敗れた日本代表。
岡田武史の負けじ魂は消えたのか?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshiya Kondo
posted2010/02/15 15:30
岡田武史という人間はもっと熱い男だったはず!!
ライバルの韓国に完敗したことで岡田監督に批判が集まるのは当然だろう。彼も「批判は甘んじて受ける」と責任を感じている。
ただ残念でならないのは、“岡田らしさ”がここしばらく見えないことにある。
岡田武史という監督は、冷静である反面、人一倍負けず嫌いな男だったはずだ。敬愛するチームは「勝利に向かって愚直で一生懸命な」アイルランド代表だったし、試合に臨むにあたって「選手がファイティングポーズを取っているか」にずっとこだわってきた。そんな熱さをチームに求めてきた指揮官が、この韓国戦では選手を奮い立たせることができなかった。ファイティングポーズを取らせることができなかった。コンセプトの浸透うんぬんより、その点が私にとって今回の最もショックな出来事だった。
「人間万事塞翁が馬」
これは彼の座右の銘である。逆境にあるときこそ、指揮官はこの言葉を胸にしてこれまで危機を乗り越えてきた。
果たして岡田はこの最大の逆境をはね返すことができるだろうか。チームを再び前進させることができるだろうか。