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全仏初の大波乱が物語る
「女王不在」という難局。
~女子テニスからドラマが消えた?~
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2011/06/13 06:00
四大大会初優勝を狙うも、第28シードのハンチュコバに0-2で完敗したウォズニアッキ
全仏オープン女子シングルスは波乱の大会となった。第1シードのキャロライン・ウォズニアッキが3回戦、第2シードのキム・クライシュテルスが2回戦で敗退。上位2シードが16強に残れないのは全仏史上初、四大大会を通じても1968年のオープン化(プロ解禁)以降初めての出来事だった。優勝は第6シードの李娜。中国人選手として初の快挙で、今大会を象徴する結果となった。
女子テニスは今、女王の名にふさわしい選手が不在で、混沌とした状況にある。今大会は四大大会で優勝のないウォズニアッキが第1シード、クライシュテルスも故障明けとあって、混戦はある程度予想できた。上位2シードが早く敗退したことを単に珍事と片づけられないのが今の女子テニス界なのだ。