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苦手とする6月を越えられるか?
好調の福留孝介、MLB4年目の真価。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2011/05/30 10:30

苦手とする6月を越えられるか?好調の福留孝介、MLB4年目の真価。<Number Web> photograph by Getty Images

福留孝介は5月7日のレッズ戦で、自身メジャー2度目となるサヨナラ安打を放ちチームメイトに祝福を受けた

スイングを極力コンパクトにして確実性を増す工夫を。

 4月に黒田博樹投手の先発に合わせカブス戦を取材した際、福留の打撃練習を観察していたが、テイクバックを小さめにしてじっくりボールを見極め、とにかくコンパクトにスイングしているのが印象的だった。

 黒田から今シーズン初長打となる二塁打を放った時も、打球は一塁線を抜けるゴロの打球だった。

 さらに福留を定期的に取材している番記者の1人に確認したところでは、開幕からこの5月下旬まで外野手越えの大飛球による長打は、わずか1本しかないのだという。

後半になるにつれ調子を落とす、例年のパターン。

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 福留の意識の変化はキャンプの時から感じていた。

 これまでのキャンプのように開幕日に照準を合わせて調整をしていくというのではなく、もっと自然に、緩やかに調子を上げながらシーズンに移行していきたいというプランを公言していたからだ。それはある意味、これまでの福留の打撃傾向を踏まえてのことだったはずなのだ。

 そこで、福留の打率をまとめた表をご覧頂こう。

シーズン 3/4月 5月 6月 7月 8月 9/10月
2008年 .327 .293 .264 .236 .193 .178
2009年 .338 .277 .169 .307 .287 .200
2010年 .344 .253 .189 .162 .365 .210
2011年 .383 .226  -   -   -   - 
通算 .345 .267 .211 .252 .275 .198

 余分な補足は要らないだろう。

 これまでの福留は常に春先に爆発し、そこから徐々に調子を落としていくというパターンを繰り返してきたのだ。だからこそ今年は開幕にピークを持ってくるというのではなく、シーズンのどこか途中にピークを持ってこれるように、と考えたのではないかと推測できるのである。

【次ページ】 安定した打撃のカギは、苦手6月の克服にあり!

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