総合格闘技への誘いBACK NUMBER
神の子よ、どこへ行く。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySusumu Nagao
posted2009/02/18 00:00
「彼が主役であり、大本命」
DREAMでは5月に開催予定の2回戦からのシード出場や、あるいはグランプリ優勝者がKIDと戦うなどアイディアがあるらしいが、まだ詳しいことは決まっていない。
ただそんな中、気になる情報が先月末に飛び込んできた。1月31日にアメリカはラスベガスで行われた『UFC94』にKIDが来場したという。他にも石井慧や五味隆典、宇野薫らの姿もあったようだが、去就の見えないKIDの動向は非常に気になるところ。
現在UFCの同系列に、軽量級を中心とした『WEC(ワールド・エクストリーム・ケイジファイティング)』という団体にあり、UGCと並び最近非常に人気を博している。ひょっとしたらその舞台にKIDが出場することも……。
UFC代表であるダナ・ホワイト氏は、『UFC94』の大会後の会見でKIDについて次のようにコメントしている。
「KIDヤマモトは昔から大ファンなんだ。ぜひ上がってほしいけど、彼は日本の団体と2試合の契約が残っている。その契約中は話を進められないので、待たなければならない。ただ、KIDヤマモト自身は夢としてここで闘いたいと言っているので、契約がクリアされたら、ぜひ実現したいね」
おそらく2試合の契約というのは、DREAMとのものと考えられる。その試合が消化された日には、KIDのWEC参戦は現実味を帯びるかもしれない……。
“神の子”を取り巻く日米間の綱引きから、今後は目を離せそうにもない。願わくば、日本のファンの前で比類なきカリスマ性と規格外の強さを存分に発揮してほしいものだが、こればかりはどうなることやら。