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M・シューマッハーに勝つために。 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

posted2004/10/07 00:00

 もともとタイプとして高速コーナーを果敢に攻め込む佐藤琢磨は、その持ち味をそのまま、鈴鹿の低中速コーナーをどれだけスムーズにアタックできるか。そうできるB・A・Rシャシー・セッティング、ホンダ・エンジン・チューニングを金・土フリー走行でまとめられるかにかかってくる。鈴鹿スペシャル投入のホンダはフェラーリを凌ぐ970馬力以上か(推定)。なおかつトルク特性を地元コースに合わせ込み、低中速域でドライバーをアシストしようとするだろう。

 ミシュラン・タイヤもBS挑戦者の立場、やはり予選重視のソフトコンパウンドで、ピットストップ3回作戦に的を絞り、攻めるしかない。フェラーリのレース戦略はこのところ一定パターンがあって、3回ならばレース周回数(鈴鹿53周)の16%、9周目前後が1回目で、その後23周目、38周目と推定できる。

 これに正面から合わせ込む手もある。予選勝負に出て軽い燃料にして(1回目ピットインは早まるが)、フロントローを狙う。ミシュラン・タイヤ特性を充分に把握した上で、M・シューマッハーよりも1回目ストップを先に延ばし、そこでトップに躍り出てかき回す手も面白い。しかし前にも書いたように“2対1”ではどうしてもつらくなる。琢磨とバトン、B・A・R2台は他のライバルを予選で下し、決勝スタートでルノーを絶対前に出さず、フェラーリ2台とのチーム・バトルにもっていかねばならない。

 今年最前列2位は1戦のみの佐藤琢磨だが、堂々セッション・トップに立つのを僕は今シーズン3戦で目の当たりに見てきた。鈴鹿へ向かう前にもう一度、繰り返そう。勝つための条件はフロントロー。まだ誰も見たことのない、日本人ドライバーによる日本GPドラマを期待する。

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ミハエル・シューマッハー
フェラーリ

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