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残留争いの渦中の日本人選手たち。
ヴォルフスブルク・長谷部の想い。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2011/05/07 08:00
第32節の対ブレーメン戦で後半21分から途中出場し、1-0の勝利に貢献した長谷部
不気味なボルシアMGがヴォルフスブルクを脅かす。
残留と降格をわけるのは何か。長谷部はこう考えている。
「最後のところで自由にやらせないとか、そういう細かい部分だと思いますよ。勝負なんて本当に、そういう細かい部分の積み重ねだから。1回さぼってもやられるし。それは試合だけじゃないし、練習でも、普段の生活からもそうだから」
2試合を残した状況で、不気味なのは、一時は降格間違いなしと見られていたボルシアMGだ。
2月にファブレ監督が就任してからは、堅守速攻のサッカーを確立。最近5試合では、ドルトムントを下した試合も含めて、3勝2敗。11月終わりから定位置となっていた最下位(18位)からも脱出した。
16位のフランクフルトは一部の選手と確執が取りざたされていたスキッベ監督が解任。ダウム監督のもとで、巻き返しを図っている。リーグ3位の16ゴールを決めているゲカスが前線に控えているだけに、侮れない。
三つ巴の争いは、最終節まで続いていくことになるだろう。
それでも長谷部は状況をポジティブにとらえている。
「(プレッシャーは)まぁ、ありますよ。自分たちだけじゃなくて、(クラブに関わる)いろんな人たちの思いとか生活とか、そういうものを全部背負ってプレーしていかないといけないから。ただ、そういうのを感じながらプレーできているというのは、個人的にはすごく良い経験だなと思ってます」
残り2試合。最後に笑うのは、泣くのは、入れ替え戦という延長戦を戦うのは、どのチームなのか。ドルトムント優勝が決まった今、残留争いに大きな注目が集まっている。