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ベトナムと日本が描く奇妙な相似形。
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2007/08/09 00:00
初の4カ国共催となった、今回のアジアカップ。ホスト国のなかでは、唯一ベトナムが準々決勝に進出した。大会前のFIFAランクが142位だったベトナムにとっては、歴史的快挙である。
ベトナムのサッカーには、以前から好感を持っていた。この2年ほどの間でも、U―16、U―19、U―23、そしてA代表の試合を見ているが、世代を問わず、いつもおもしろいサッカーを見せてくれる。
体は小さいけれど、動きが俊敏で、テクニックがある。テンポよくパスをつなぎながらも、時折トリッキーなプレーも好んで用いる。そんなサッカーがベトナムの特徴だ。今大会のグループリーグで日本と対戦したときもそうだった。特定の個人能力には頼れないから、全員がしっかり走って、パスをつないで攻めてくる。前半なかばあたりは、完全にベトナム・ペースになっていた。