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前田健太がいなくても先発は十分!
広島の中継ぎは“あの2人”が復活か。 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph byNanae Suzuki

posted2016/01/14 10:40

前田健太がいなくても先発は十分!広島の中継ぎは“あの2人”が復活か。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

中田とともに中継ぎとして復活が期待される今村。2013年のWBCに選出された豪腕が今季にかける。

問題はむしろ、中継ぎのタレント不足。

 問題は中継ぎだろう。昨季抑えを務めた中崎翔太とベテラン勢を除くと、シーズン通して投げ抜いた経験のある投手が少ない。しかも昨季セットアッパーを務め、イニングまたぎもいとわなかった大瀬良を「ポスト前田」として先発へ配置転換することで、「ポスト大瀬良」を探さなければいけなくなった。

 一軍と二軍である程度選手を入れ替えながらフレッシュな選手で戦うこともできるが、安定感に欠き長いシーズンを戦い抜くことは難しい。昨季は起用に偏りが生じる悪循環にもはまった。

 中継ぎ強化のためには新外国人のジャクソンのほか、当初は先発候補と見られていたルーキーの岡田明丈(大商大)も加わり、ブルペン強化の貴重な戦力として期待される。だが、日本プロ野球の経験のない新戦力は未知数で計算はできない。まして新人選手は、あくまで上積みと考えた方がいいだろう。

 だからこそ、'14年にチームトップの66試合に登板した中田と'11年から3年連続で50試合登板の今村猛が主戦に復帰できれば、若いブルペン陣にシーズンを投げ抜いた経験が上積みされる。

貴重な「勝ち試合で投げる」経験。

 現役時代に抑えの経験もある佐々岡真司二軍投手コーチも彼らに期待する。

「勝ち試合で投げる経験をしている。来季戦力になってくれないと困る」

 ほかの若手のように一軍で投げることを期待しているのではない。一軍で計算のできる主戦としての期待を寄せている。

 右肩痛の影響から昨季は5試合の登板に終わった中田のやる気は、体を見れば一目瞭然。上半身が逆三角形の完璧ボディに仕上げている。

「肩をケガして余計な脂肪を取って、コンディションを整えたかった」と、シーズン中96kgあった体重をシーズン後には80kgまで落とした。軽量化ボディで右肩の負担を減らす下半身主導の投球フォームにもスムーズに移行できた。さらに球質アップのため、オフの間に筋力強化。体重は90kgまで戻り、体脂肪率は7%だという。

「何もできなかった昨年の分を今年取り返したい。(シーズンが)早く始まってほしいきもちです」

 このオフは肉体だけでなく、表情にも手応えがにじみ出ている。

【次ページ】 復活を期す、6年目のドラ1右腕。

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