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【動画】「トリプルアクセルも4回転も戦術に」伊藤みどりが語る“大激戦”五輪女子日本代表への戦い「やはり坂本花織さんが強いなか…」《レジェンドからのエール②》

 NHK杯女子シングルの表彰式でプレゼンターを務められた伊藤みどりさん。NHK杯9大会連続表彰台のレジェンドにして日本フィギュア界初の五輪メダリストである伊藤さんが、NHK杯を観戦しての思いや、今季の代表争いについて語りました。選手たちへの熱い思いをこめた動画インタビューを全3回に分けてお届けします。
 パート2は大激戦となっている五輪女子日本代表3枠の行方についてお話を伺いました。聞き手は数々のスケーターを長年取材し、伊藤みどりさんとの親交も深いライター野口美惠さんです。《伊藤さんがNHK杯女子の演技を解説する動画パート①も併せてご覧ください。五輪男子日本代表の戦いについてのインタビュー動画も後日公開予定です》

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子日本代表枠は3。それに対し、GPシリーズでは次々と日本選手が表彰台に上がり、その狭き門への争いは激戦となっている。

「今は日本のレベルも上がってきています。特に女子は、トリプルアクセルを跳ぶ選手が増えてきています。やはり坂本花織さんが強いなか、オリンピックに行くためにはそれぞれの戦略があり、誰が2枠目、3枠目を取ってもおかしくない戦いといえますね」

NHK杯フリーの坂本花織の演技
NHK杯フリーの坂本花織の演技

 今季の日本女子は、トリプルアクセルや4回転に挑む選手が、これまで以上に勢いづいている。フランス杯では中井亜美がトリプルアクセルを成功させ、住吉りをんが4回転に挑戦した。中国杯では渡辺倫果がトリプルアクセルを成功、吉田陽菜も挑戦している。またGPシリーズの出場はないものの三宅咲綺もトリプルアクセルを武器に好調を保っている。

中井亜美はGPシリーズフランス杯優勝、スケートカナダ3位 ©KYODO
中井亜美はGPシリーズフランス杯優勝、スケートカナダ3位 ©KYODO

 日本女子に高難度ジャンパーが増えていることについて、伊藤はこう話す。

「1つの戦い方でしょう。今はもう誰もが3回転ルッツまで当たり前のように跳ぶ。勝つためには、表現力で行くのか、技術で上を行くのか、つなぎで見せるのか。みんなと違った自分の個性をアピールしていくなかで、4回転やトリプルアクセルという戦術があるのだと思います」

 今季、海外のシニア選手で大技を成功させているのは、今のところトリプルアクセルを得意とするアンバー・グレン(米国)のみ。日本の技術力の高さは、今季の女子スケート界で群を抜いている。

「日本では『今の時代、トリプルアクセルは必要』と考えているスケーターやコーチが多いのだろうと思います」

 そう話した上で、世界女子初のトリプルアクセルジャンパーである伊藤さん自身の影響を否定しない。

「浅田真央さんも私の伝統を引き継いで来ましたし、日本はやっぱりテクニック的に最先端を行くという伝統はあると思います。今や島田麻央さんが4回転もトリプルアクセルもやっている。それが当たり前だと思って戦う伝統は、みなさんに伝わっていると思います」

1984年NHK杯のエキシビジョンでトリプルアクセルを決める伊藤みどり
1984年NHK杯のエキシビジョンでトリプルアクセルを決める伊藤みどり
 

 五輪代表争いへと挑む日本女子に、エールを送る。

「皆さん、どこかしら怪我を抱えていたり、試合数が多かったりしているものです。まずは体調面を大切に。怪我のない選手なんていないと思いますが、その中で今あるベストのコンディションに持っていって、試合に臨んでほしいと思います」

 伊藤さん自身も手に汗握って見守る五輪シーズン。選手への言葉1つ1つに愛があふれるインタビューです。動画では以下のことについても触れています。

  • 五輪女子3枠の行方は「まったく分からない混戦」
  • 住吉、吉田らも大技磨く
  • 日本はジャンプに強み
  • 青木祐奈のしなやかさを生かした「ラ・ラ・ランド」
  • 樋口新葉のステップシークエンスで「睨まれた!」
  • 五輪でのロシア出身選手との戦いは
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 伊藤さんのさまざまな思いがあふれるインタビュー。ぜひご覧ください。(11月8日、インタビュー)

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photograph by Asami Enomoto

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