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【動画】「4回転トウループも跳び方を変えて」三浦佳生が明かす五輪代表入りを支えた佐藤駿、マリニンのアドバイスとは「君はスピードがあるから…」《単独インタビュー・後編》

2026/01/16
 ミラノ・コルティナ五輪の男子代表に選ばれた三浦佳生選手。今季前半は怪我や不調に悩まされながらも、最終選考会となる全日本フィギュアスケート選手権(12月18~21日・東京)で見事な復活劇を見せ、代表の座を射止めました。荒波を乗り越えた三浦選手に胸の内を語っていただくインタビュー。後編では全日本選手権当日の戦いや、五輪に向けた思いをお聞きしました(前編はこちら)。聞き手はライターの野口美惠が務めました。

 五輪代表の最終選考会となる全日本選手権。ショートプログラムで三浦選手は、周りの点数や順位を気にせず、自分自身に集中した。

「誰の点数も演技内容も一切知らずに、ただきっちりショートをこなして良い位置につけるということが目標でした。4回転トウループも跳び方をちょっと変えて、ベストな演技だったと思います」

2025年全日本フィギュアスケートのSP ©Asami Enomoto
2025年全日本フィギュアスケートのSP ©Asami Enomoto

「4回転トウループの跳び方を変えた」という三浦選手。その理由を聞くと、2人のライバルからの貴重なアドバイスがあったことを明かした。まず1人目は、同じく五輪代表に選ばれた佐藤駿選手だ。

「(佐藤選手の)GP(グランプリ)ファイナルが終わった後、全日本選手権ギリギリの時でした。(単発の)練習では跳べていたのですが、曲の中になるとどうしても(回転が)抜けてしまうので、駿君に聞いたんです。彼も去年『練習で出来ていても、本番での失敗が多い』という話をしていたので。そしたらすぐに『助走のコースを毎回ブレがないよう同じコースにして、そこの部分だけを曲をかけて練習するというやり方をしたよ』という返信がきて。それに共感して練習して、自分の気持ちが良いコースが見つかったので、彼に感謝したいです」

2025年全日本選手権の佐藤駿のFS ©Asami Enomoto
2025年全日本選手権の佐藤駿のFS ©Asami Enomoto

 そしてもう1人アドバイスをもらったのは、世界王者のイリア・マリニン(米国)だった。

「彼は試合の時は必ずといって良いほどアドバイスをくれます。印象に残っているのは、自分が4回転トウループで足を痛めてしまうので『左足のトウの突き方が悪いのかな』という相談をしたら、『君の場合はスピードがあるから、スピードを流すようにトウを突けば負担が少なく、パワーのあるジャンプを跳べるはずだ』と。最初は苦戦しましたが、トウを突いても足に嫌な感覚が残らないようになったので、そこは一番感謝しています」

2025年全日本選手権のFS ©Asami Enomoto
2025年全日本選手権のFS ©Asami Enomoto

 ライバルたちの支えを胸に、ショート2位で迎えたフリー。だが、本番直前の6分間練習では大きな武器である4回転ループが一度も跳べなかった。

「僕は6分間練習で、4回転ループに対しての自信を完全に喪失していました。4年に一度(の五輪代表決定戦)だし、2種3本でも勝ちに行けるんじゃないか、ということもちょっと感じていました。でも(佐藤)紀子先生と岡島(功治)先生が『いや、行けるよ』みたいな軽い感じだったんです。(ホームリンクの)新横浜での練習ではコンスタントに跳べていたので、先生的には『体のコンディションが悪いから跳べないんじゃなくて、ちょっとした原因だから絶対本番は行ける』みたいな感じでした」

 2人のコーチの言葉を信じ、演技冒頭でクリーンな4回転ループを着氷。波に乗って4本の4回転を降りると、総合3位でミラノ・コルティナ五輪の切符をつかんだ。

2025年全日本選手権のFS ©Asami Enomoto
2025年全日本選手権のFS ©Asami Enomoto

 周りの人々に相談し、支えられ、多くのパワーを凝縮させて辿り着いたミラノの地。インタビュー動画2本目では、以下のことも語っています。

  • 「駿も、僕が力を出せるように支えてくれていた」
  • 「フリーは(友野)一希君との勝負。先輩後輩関係なく」
  • 3種4本の4回転というポテンシャルを見せる
  • 賭けの4回転ループは跳んだ瞬間「行った!」
  • 4回転4本をクリーンに決めれば、まだ伸びる可能性
  • 三羽ガラス「(鍵山)優真と駿に追いつけば世界トップの戦い」
  • イリア・マリニンに「オリンピックに行けるよう頑張る」と連絡していた
  • 今季は「見栄をはらず鈍臭く、皆に質問した」
  • 中田璃士選手は「刺激になる火付け役」
  • 3人で行くミラノ・コルティナ五輪の未来図
  • 海外でも自然体で過ごし「3人にとってプラスに」

 仲間とともに五輪へと歩んでいく、三浦選手のポジティブさが伝わってくるインタビューです。ぜひご覧ください。(2025年12月24日取材)

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photograph by Yuki Suenaga

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