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【動画】「やりがい搾取ではなく…」川崎渉社長が語った未来に残る組織の作り方と“今週生きる糧になる”スポーツの3要素「Jリーグとの違いはエンタメ」《川崎ブレイブサンダース特集④》
川崎ブレイブサンダースの川崎渉社長は、東京ヴェルディ、名古屋グランパス、FC東京とJリーグクラブのフロントスタッフを経て2023年6月に現職に就任。プレーヤーとしてサッカーに打ち込み、海外サッカーやNBAにまでアンテナを張っていた生粋のスポーツ好きではありましたが、それを仕事にしたいとは考えておらず、新卒で入社したコンサルティング会社でも、転職したDeNAでもスポーツには縁がなかったと話します。
「転機は、DeNA時代に新規ビジネスの立ち上げを一緒にやっていた人間が起業をして、東京ヴェルディのスポンサーになったというので『サポートしてくれないか』と相談されたのがきっかけです。最初は土日や空いた時間にお手伝いをしたんですが、当時のヴェルディの社長から『入ってほしい』というお声をいただき、DeNAを一旦退職する流れになった。ものすごくざっくり言うと、そんな感じです」
ヴェルディでは社長室室長として、資金繰り、スポンサー営業、マーケティングなどあらゆる領域を担当。グランパスではマーケティングと編成予算の管理・マネジメント、FC東京ではマーケティングとそれをベースにした会社経営を学びました。ビジネスの担い手としてプロスポーツの世界に飛び込んだ、かつての『サッカー小僧』は、その喜びを次のように語ります。
「コンサルティング会社にいた時は、経営や事業の当事者ではありませんでした。DeNAではネットサービスを運営することで当事者になれたものの、そのユーザーを直接目にする機会はめったにありませんでした。『スポーツ観戦』を楽しむ方の数はもしかしたらネットサービスの利用者よりも少ないかもしれませんが、それを生き甲斐としていただけたり、幸せと感じていただける瞬間に立ち会うことができる。それは幸せだなと思います」
元沢伸夫前社長からブレイブサンダースの経営トップを引き継いだ川崎社長が取り組んだのは、これまでクラブが続けてきたチャレンジをさらに大きなものとするための地盤づくりでした。
「平たく言うと、『短距離走からもう少し長い距離を走れるようにしましょう』というのが近いかもしれません」

「チームとフロントは両輪なんだ」
それは決してキャッチーでドラスティックなものではありませんでしたが、スポーツビジネス業界が陥りがちな「やりがい搾取」に頼ることをやめ、それに伴う人材の短期流出を防ぐ取り組みを行った結果、社員の数は当時から約1.5倍に増加。ワークライフバランスがより整い、社としてできることも増えました。
「固定費が増えることは経営者として苦しいことだとは重々承知していましたが、ブレイブサンダースは当然『5年生き残ればいい』という組織ではありません。未来に繋げよう。チャレンジし続けられるようにしよう。そのような思いでした」
Bリーグ創設して以来常に強豪の一角だったクラブは、昨シーズン、初めての大きな転換期を迎えました。18勝42敗の中地区最下位。プロスポーツクラブ最大の『商品』であるチームが結果を出せないことはもちろん喜ばしいことではありませんが、そういうときにこそチームを支え、真価を発揮するのがビジネスの力だと川崎社長は力を込めました。
「クラブ経営のすべてを競技力に依存しているようでは、ビジネスとしての意味がありません。通常1の結果を出せるチームが0.7になったとしても、ビジネスとフロントの力で1になるよう頑張る。チームが頑張って1.2という結果を出したら、さらに1.5に増やす。チームとフロントは両輪なんだよということは常に言い続けています。(兄弟球団にあたる)横浜DeNAベイスターズと同じように、チームの結果が出ない時だからこそやれることはあります」

この動画では他にも次のようなことについてお話しいただきました。
- 成熟した「次男坊・Jリーグ」と自由奔放な「三男坊・Bリーグ」
- プロスポーツクラブ経営に重要な3要素
- クラブが目指す新たなフェーズ
- 南場智子DeNA会長からかけられた言葉
- 26年秋スタートの新リーグ『Bプレミア』以後の青写真
選手出演のYouTube動画、選手名入りのタオル、ドキュメンタリー映像の制作……。Bリーグではすっかりおなじみになった多くの施策の先駆けとなってきた川崎ブレイブサンダースは、今後も川崎社長の旗振りのもと、選手、チームスタッフ、フロントスタッフ、クラブに関わる全員が思い切りよいチャレンジに挑みます。今後、一体どのような施策でバスケ界をアップデートさせてくれるのかが楽しみになる約40分のインタビュー動画、ぜひご覧ください。(8月25日取材)
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