開幕を機に、エースが抜けた影響や、昨季CL決勝での敗因など、様々なテーマについて語ってもらった。
リオ・ファーディナンドはその風貌からおよそ想像も付かないほど繊細かつ多才な一面を持つ男だ。フットボーラーとしての人生を順調に歩む一方、ピッチの外にある世界にも好奇心旺盛で、幼い頃から子役や服飾関係の仕事に携わり、プロとして絶頂期にいる今でも、その傍らでシューズのデザインなどを手掛けている。
今回、ひょんなことからそのファーディナンドに対するインタビューを請け負うことになった。彼が知人の友人であることがきっかけだったが、聞けば、興味深いプロジェクトを立ち上げたのだという。自ら聞き手となってプロテニス選手のロジャー・フェデラーやラッパーの50セントといった著名人に取材を行い、ネット上でその動画を無料配信しているというのだ。今春から開始したそのウェブマガジンは多くのユーザーを引き付けており、10月には日本版もスタートさせるらしい。故マイケル・ジャクソンの最後のインタビューアーがファーディナンドであると聞かされたときには心底、驚かされた。
三十路を迎えても自信と貪欲さを失わず。
実際に膝をつき合わせても、会話や仕草の端々にインテリジェンスを感じさせ、ジャケットでも羽織れば、一流のビジネスマンとしても通用しそうな雰囲気を醸し出す。思わず、「もう引退後のビジネスを考えているんですか?」と聞くと、苦笑しながら否定された。
「引退はまだ考えてないよ(笑)。これから何年も活躍したいしね。引退後はたまに自宅で、勝ち得てきたトロフィーでも眺めながら思い出に浸りたいし、そのためにも今からリタイアするまでに獲れるタイトルは全て獲りたいと思っている。サッカー人生を振り返った時、自分の全てを注ぎ込んできたと思えるような実績を、自分の目の前に並べたいからね」
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています