このコラムに3回登場、本誌'01年1月11日号の表紙も飾った“忘れられかけていた大物”が初戴冠を果たした。
決して春の珍事ではない。なせば成る。5月6日の東京・後楽園ホールで棚橋弘至(32)を21分42秒、得意のジャーマン・スープレックスホールドで破った、中西学のことだ。生粋の新日本育ちでは史上最年長、42歳3カ月のIWGPヘビー級王者誕生となった。
元五輪代表にして本物のプロレスラー魂を持つ男。
'92年のバルセロナ五輪に出場し、プロ転向表明。そのわずか1カ月半後に異例の早期デビューを飾った。その新人時代には、こんな話がある。
世田谷区上野毛にある道場兼合宿所で、毎夜、冷蔵庫の食品が消えるという“事件”が起こった。犯人は他ならぬ186cm、110kg級の怪物クン。これを聞きつけた“和製ゴリラ”ことマサ斎藤は、「オレの2代目ができた。やっとレスラーらしい奴が入ってきたよ」と目を細めたものだ。
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photograph by Yukio Hiraku/AFLO