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敵地で気を吐けるか、ジャパン秋の遠征。

2009/03/08

 秋の遠征はジャパンの鬼門である。

 国内シーズン真最中とあっては遠征前の合宿もままならない。諸手続を考えればメンバー発表は早目が望ましいが、その後で負傷者が出るのは日常茶飯事。チーム事情による辞退者も、名目はともかく後を絶たない。さらに発表後の試合で抜擢した選手のデキが悪ければ、監督が「どこを見てるんだ?」の批判にさらされる。

 思い出すのは、平尾誠二監督最後の指揮となった2000年の欧州遠征だ。9月の代表発表後、春のシリーズで主将を務めた増保輝則らが負傷し、出発直前になって代表5人を入れ替え。結果、遠征最後のアイルランド戦には9対78の大敗を喫し「終身監督」とまで呼ばれた平尾監督も辞任を余儀なくされたのだった。'93年のウェールズ遠征でも学生など辞退者が続出し、テストマッチに5対55の大敗。小薮修監督は兼務していた強化委員長の職を奪われた。向井昭吾前監督が率いた'02年釜山アジア大会ではメンバーの補充さえ大会委に拒否され、リザーブも揃わない20人で3試合の戦いを強いられ最後の韓国に敗れた。

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photograph by Shinsuke Ida

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