日本女子も、そろそろ世代交代を期待すべき時に来ている。もちろん、29歳の杉山愛、28歳の浅越しのぶらが、この先も活躍することを否定はしない。いくつになっても、ますますの飛躍を切に望んでいる。しかし、ベテランが世界のトップに定着している間に、彼女らを脅かす若手が出てこないと、自然の流れで世代交代ができない。そのためにも、ジュニアから20代前半の次世代の発奮をうながしたい。
9月13日からインドネシアのバリ島で行われたツアー公式戦ウィスミラク国際で、20歳の中村藍子が、初戦で杉山にストレート勝ちを収めた。中村は、ツアー本戦で試合をするのは、この時が初めて。予選2試合を勝ち抜き、初めて本戦でプレーする機会を得た。その記念すべき初戦で、見事にアジアのエースの杉山を破る金星を挙げた。杉山が不調だったわけではない。センターコートで行われたその試合は、十分にツアーでファンを魅了できるレベルに達していた。中村は絶好調。杉山のどんなショットも、得意のハードショットとカウンターで切り返した。もちろん、中村にとって、負けても失うものはないという無欲のチャレンジ精神があったことも幸いした。それでも、世界14位とがっぷり四つに組み合ったプレーは見事だった。
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photograph by Hiromasa Mano