高木虎之介が、今季全日本選手権フォーミュラ・ニッポンに参戦することを発表した。今年31歳になった彼は、'92年に四輪レースデビューを果たすと、翌'93年にはF3、'94年のF3000スポット参戦を経て、'95年にはF3000シリーズ2位に入る活躍を演じた。この勢いに乗って、'98年にはF1に参戦、'01年からはアメリカに活動の場を移していた。
問題は、高木の国内レース復帰を「撤退」と見る向きである。確かにF1やIRLなど欧米のレースを至上のものと考え、そこからすべてが始まるとする原理主義からするならば、生まれ育った日本へ舞い戻る高木は敗北したと言えるのかもしれない。だがわたしは、近代世界のモーターレーシングにおける日本の意味をそれほど軽いとは思わない。
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