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反日デモに揺れる中国の欧州における位置付け。

2009/03/08

 今や中国はヨーロッパで最高のVIPだ。10億人の巨大市場で一儲けしようと、主要クラブがこぞって中国に進出し、ご機嫌取りに奔走しているのだ。

 バイエルン・ミュンヘンのスカウト主任のエゴン・コールデスは、クラブの命令で何度も中国に足を運んでいる。最初は稲本潤一を狙っていた彼だが、現在では山東魯能泰山のジェン・ジ(24)が一番のお気に入りになった。PSVは今年1月に中国の大手メディアと業務提携して、チーム内に中国人スタッフを雇ったほど。一昨年レアル・マドリーが、中国ツアーをしたのはご存知の通りだ。

 ドイツの場合は、国をあげて動いている。ドイツサッカー協会のツバンツィガー会長代理が訪中し、ドイツ国内に“中国選手育成アカデミー(DCFA)”を設立することを約束したのだ。昨年12月、このアカデミーが開校。中国のユース代表がまるごとやってきて、2008年の北京五輪に向けて強化を続けている。約2年間、有望な若手30人がクラブでの活躍を捨てて代表の強化に励む……日本からしたら、ちょっと不気味な話だ。偶然にも私の知人であるミハエル・ヴァイスが、このチームのコーチに就任したので「実際どうなの?」と電話してみた(ちなみに彼は国見高校、京都パープルサンガのコーチを歴任した大の日本通だ)。彼は自信たっぷりに答えた。

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