「ワセダは、いやごめんなさい、サントリーは、ブレイクダウンを少人数で出そうとするチームなので……」
2月18日、花園の日本選手権準決勝。39対17の大差でサントリーを破ったトヨタ自動車の会見で、朽木英次監督はつい口を滑らせた。それは、トヨタがこの試合にかけた気持ちの深さを象徴していた。
その1週間前。サントリーとの対戦が決まると、朽木監督は「去年ここでワセダに負けて、相当落ち込んで、それをモチベーションにして1年間やってきた。悔しさ、辛さ、惨めさを、すべて次にぶつけたい」と言った。そのワセダから清宮克幸監督と佐々木隆道主将ら主力3選手が加わったサントリーは、トヨタから見れば憎きワセダそのもの。そんな思いが、言い間違いを誘ったのだろう。試合を控えたサントリーのある選手は「僕らは全然関係ない。とばっちりもいいとこですよ」とボヤいていたが……。
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