野球を始めて27年、プロ選手として11年、そのドラマチックな選手人生に終止符が打たれた。彼だからこそ重ねることができた経験を振り返り、いま必死に模索している“これから”を語る。
――引退して1カ月、野球をやめてから、どんなことを感じていますか。
「この前、テレビ番組の撮影で群馬にある母校の小学校へ行ったんです。今までも車で前を通ることはあったんですけど、校庭に入ったのは20年ぶりでした。運動場にマウンドがあって、そこに立ってみたら、小1から引退までの27年、野球をやってきたことがパンパンパンと浮かんできて……プレーだけじゃなく、親が送り迎えしてくれたときのこと、お弁当を食べたときのことが次々と浮かんできました」
――どんなお弁当だったんでしょう。
「おにぎりです。海苔を巻いて、具はおかかとか梅、あとは昆布だったかな」
――最初に「オレって、野球うまいな」と思ったのはいつ頃ですか。
「小学5年生くらいですかね。人よりもちょっとボールを遠くまで投げられたり、投げるボールが速いなって言われたりして、いつもの如く調子に乗りました(笑)」
――小1で野球を始めてから27年。斎藤さんは今、33歳ですから、27年経てば60歳になります。野球をプレーしてきた27年を終えて、これからの27年、どんな人生を送るイメージをお持ちでしょうか。
「60ですか(笑)。でも、確かに野球をやってきた日々を振り返るとあっという間だったので、それは怖い話ですね(苦笑)。この1カ月、目の前のことを消化するだけで精一杯になっているところもありますから、自分と向き合って、見つめ直す時間も予定として組まないとダメですね」
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photograph by Shigeyoshi Ohi