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「1巡目との差を埋めなきゃと」ルーキーで12本塁打…渡部聖弥が不調でも“全否定”に走らなかった理由「野球って難しく考えると…」【西武ライオンズ】
野球のユニフォームというよりは、まるでリクルートスーツに身を包んだ学生のように生真面目な口調だった。
「変えたのはお尻が落ちちゃうところです。自分は後ろ体重になりがちで、力のベクトルが変な方に行ってしまっていた」
今季、ルーキーながら西武のクリーンナップに定着した渡部聖弥は、入団時のバッティングの課題をそう振り返る。
変えなければならない部分と、変えてはならない部分。国内最高峰のリーグは柔軟な対応力と堅牢な自分の両方を併せ持つ者だけが生き残ることができる世界である。
オープン戦時の渡部は「ボールを弾けなかった」と言う。つまり、ボールが前に飛ばなかったのだ。恐縮しながら解説する。
「専門的な言い方で難しくなっちゃうんですけど、上体を上げて、骨盤をフラットにしたって言うんですかね。そうすることで、ボールを弾き返せるようになったんです」
見た目には大学時代よりも「突っ立ったくらいの感じ」になったという。
ただし、変えたのはそこだけだ。初々しい雰囲気を漂わせているものの、広陵高、大阪商業大と、野球の名門校で鎬を削ってきただろう跡もはっきりとうかがえた。
「野球って難しく考えると、ほんとに難しくなっちゃうんです。悪いと全部否定したくなるというか。ここも悪いからだって。そうすると自分を見失ってしまうんです」
自分を維持できるかできないかギリギリのところで迷い、自信をつかみ、そしてまた迷いという試行錯誤を繰り返した109試合で残した渡部の数字は以下だ。
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