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「強くて動ける体を作りたい」宗山塁22歳が語る“ショート”での後悔と、1年ずっと見続けた村林一輝の“凄み”「本当は思うところがあったかも。でも…」【楽天イーグルス】

2025/11/11
ルーキーながら122試合に出場した宗山
5球団が競合したドラフト1位ルーキーは一度も二軍に落ちることなく1年目を完走した。ポーカーフェイスの遊撃手が、その手応えを語る。(原題:[躍動したルーキーズ(1)]宗山塁「ショートを守り抜いたこと」)

 杜の都の秋は足が速い。居座った猛暑が退散して一息つくと、すぐそこに冬が来ている。一気に冷え込んだ仙台で、宗山塁はすでに新しい春に向けて動き出している。

「“いい体”を作りたいです。技術練習はもちろんですが、自分は体が一番重要だと思っている。どうすれば体を上手く使えるようになるのか、どんなトレーニングをすべきか……強くて動ける体を作りたい」

 プロ1年目の今季、シーズンを通して一軍で完走し、122試合に出場した。打率.260、27打点、3本塁打、7盗塁。シーズン安打数の112本は、楽天の新人としては歴代2位の堂々たる数字だった。

「まずは怪我なく1年間、いい経験をさせてもらったというのが一番。数字がどうというのは正直気にしていないので、この先にどうつなげるかが大事だと思っています」

 涼やかな表情で充実感を口にした。

「ショートで出続けたことに意味があるんですよ。どのポジションも大切だけど、やっぱりショートは特別だから」

 そう話すのは楽天の三木肇監督だ。自身も現役時代は、遊撃手としてドラフト1位でヤクルトに入団した。思い入れがある内野の要に、開幕からルーキーを起用した。

 シーズン前、指揮官は宗山を呼び、一つ約束を交わしている。

「この1年間、いいことも悪いこともあると思う。そこに一喜一憂せず、全てを糧にしていこう」

 真っ直ぐな眼差しで頷いた「背番号1」は、春先から目覚ましい活躍を見せた。3月28日、オリックスとの開幕戦でいきなり初安打、初打点を記録すると4月のうちに初盗塁、初ホームランもクリアして、遊撃のレギュラーを不動のものにしていく。

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photograph by Ichisei Hiramatsu

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