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《独占告白》ライオンズ・中村剛也が語る“481本”と投高打低、そして探求心「僕は小学校のときから…」「ホームランはちょっと恥ずかしい」

2025/09/13
プロ生活23年でNPB歴代3位、6度の本塁打王。統一球の時代でも結果を残し、40代の今もスタンドにアーチをかける“おかわりくん”は、いかに自らを分析し、打球を飛ばし続けているのか。(原題:[現役最多481本の哲学]中村剛也「ホームランはちょっと恥ずかしい」)

 中村剛也は間違いなく球史に残るホームランバッターだ。通算本塁打数481本は現役選手としてはトップで歴代10位。歴代3位となる6度の本塁打王を獲得し、2019年7月には史上20人目となる400号ホームランを記録した。今や、中村の代名詞ともなっている満塁本塁打数22本は日本記録。おそらく今後、これらの本塁打記録を塗り替えるのは極めて難しいだろう。

 改めて、ホームランを打ったときの心境を聞くと意外な答えが返ってくる。

「別に。ただ『ホームランだなぁ』と思いながら一周していますね。どう表現していいかわからないっすけど、うれしいっていうのとも少し違う。僕がよくホームラン談話でコメントする『打ててよかった』という気持ちだけですね。打って、走っているときはちょっと恥ずかしい。だってプレーが止まっている中、一人で走っているんですよ。そんなん恥ずかしくないですか?」

 481度も味わっている、慣れたはずの儀式はいまだに照れくさいと語る。

SANKEI SHIMBUN
SANKEI SHIMBUN

中村「投高打低と言われていますけど…」

 特筆すべきは、他の選手であれば体の衰えを感じ始め、現役引退が頭をよぎる35歳以降もコンスタントに本塁打を残しているところだ。35歳の'18年には28本、'19年には30本塁打を放ちライオンズのリーグ2連覇に貢献。'21年から'23年までの3シーズン連続で二桁の本塁打を記録している。

 その間、ピッチャーの球速はどんどん速くなり、日本球界には160kmをマークする投手も増えている。

「投高打低と言われていますけど、実感もなにも、投手成績と打者成績を見れば一目瞭然ですよね。まずは単純にピッチャーの投げる球のスピードが速くなっている。いろいろな種類の変化球を投げる投手が増えてはいますけど、とにかくスピードが違うのは強く感じますね」

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photograph by Wataru Sato

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