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「1人、1人がみんなのことを思ってる」若きセットアッパー・及川雅貴と安藤優也投手コーチが明かす“鉄壁救援陣”の秘密「監督は選手の体を最優先に…」
一軍投手チーフコーチを務める安藤優也のボールペンのインクはこの1年で相当減っただろう。
「詳しくは言えないけど、球数、連投、体調だったり、自分なりにいろんな要素をチェックしてノートに記入してた。このピッチャーは、前の試合で20球投げてるな……このピッチャーは今連投してるな……とか。個々の選手のそういう部分をパッと見て分かるようなシステムにはしていたので」
ユニホームのズボンの後ろポケットにしのばせるノートをめくると安藤なりのブルペンの“全体図”が見渡せるそうだ。個々の選手が1週間に投じた球数や連投の有無、疲労に至ってもそれが肉体的か、精神的か。同じ無失点でも3者凡退なら球数も少なく収まるが、複数の走者を背負うなどピンチを切り抜けての無失点では球数はもちろん心身にかかる負担も違う。数値化しにくい要素もきっちりノートに言語化してきた。これほど安藤がペンを走らせたのも、ブルペンにおける投手陣の運用・管理に注力してきたからに他ならない。
タイガースの救援陣の質と層の厚さはリーグ屈指を誇る。守護神・岩崎優、NPB新記録の40試合連続無失点をマークした石井大智、及川雅貴、桐敷拓馬、湯浅京己……他球団もうらやむタレントがズラリと並ぶ。ただ、極上の駒を揃えていても“指し手”を誤れば多くの歯車が噛み合って動くブルペンに綻びが生じる。現役時代は先発として開幕投手を3度務め、キャリア終盤は配置転換でリリーフ稼業に身を投じた安藤はブルペンという組織の機微を分かっている。だからこそ、投手コーチの任につくにあたって、指導だけの「技術屋」にとどまらない視点もずっと大切にしてきた。
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