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「初回は全球チェンジアップでも…」甲子園で勝負の“明暗”を分けた継投策と配球傾向「エースに頼る時代ではありません」《1、2回戦から2025年夏の傾向を考える》
大会を通じてマウンドに立ち続ける。打者を圧倒して三振を量産する。かつて甲子園を沸かせた大エースは今後、誕生しないかもしれない。
球数制限に加えて、年々厳しくなる暑さは、投手の起用法に再考を求める要因となっている。さらに、大黒柱1本では甲子園を勝ち上がれない大きな要素となっているのが「研究」だ。
甲子園出場クラスの強豪校では、相手投手を徹底的に分析する。その内容は、速球と変化球の球筋や投球フォームのクセ、初球の入り方やカウントが悪くなった時に選択する球種など多岐に渡る。近年は動画配信サービスやSNSによって地方大会の映像も容易に入手できることもあり、分析の精度は高まっている。
今大会注目の投手たちも、相手チームの研究に苦しんだ。U-18日本代表候補にも選出された未来富山のエース江藤蓮投手は、初戦の高川学園戦に先発して6回途中8失点でKOされた。第1打席で江藤から本塁打を放った高川学園の遠矢文太選手が、最速145km左腕を打ち崩した理由を明かす。

「変化球が甘く入ってくる傾向があると事前の情報が頭に入っていました。追い込まれるまでは、力のあるストレートではなく、変化球に狙いを定めていました」
遠矢は初球の速球を見逃すと、打席で3度うなずいた。そして、2球目のカーブを引っ張り、左翼席に運んだ。まさに、イメージ通りの一発だった。
続く5番・山口岳士選手は4球続いた速球をセンターへ弾き返した。第3打席でも外角の速球をライト前に運んでいる。未来富山との対戦前には、富山大会決勝で登板する江藤の映像を繰り返し見たという。
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