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【動画】「サードプレイスが必要なんです」横浜高校・村田浩明、39歳の指揮官が挑む“超名門”の変革と完全復活「ここを、人生を変える場所にしてもらいたい」 《インタビュー特集①》
NumberPREMIERの動画インタビューによる新連載「高校野球 シン・組織論」では、強豪校などいわゆる主役、そして新興校や公立校など脇役として高校野球を変革していこうとする高校を徹底取材していく。記念すべき1回目に登場するのは、今春のセンバツを制した名門・横浜高校だ。恩師でもある名将から「次代」を託された指揮官・村田浩明に話を聞いた。《近日中に、キャプテン・ 阿部葉太選手、エース・奥村頼人投手の動画インタビューも公開します》
今年のセンバツで優勝した横浜の強さが「圧倒的」だと評されたのは、新チームが始動した前年の秋から、公式戦で無敗のまま戴冠したからである。それは「平成の怪物」と呼ばれたエース・松坂大輔を擁した1998年以来の偉業でもあった。
「横浜高校に行って全国制覇、なんてまったく……。微塵にも思っていなかったので」
監督の村田浩明はそう謙遜する。しかし、この全国制覇は、村田が指導者となってから丹念に醸成してきた「準備」によって成し遂げられた結果ともいえる。
横浜OBである村田は、公立校から指導者生活をスタートさせている。2013年に赴任した白山高校では、18年の夏に初のベスト8進出。彼にとって実績を残した公立での指導は原点であり、「全てだ」とも言い切る。
「『どうせダメだ』ではなく『公立高校でもやれる』という熱量を大人が持てば、子供は応えてくれるんです」
村田が公立校で得た成功体験とは、可能性に蓋をしないことだった。いかなる境遇であっても道は開けると実感できたからこそ、20年に母校の監督に就任してからも「思い切ってやろう」と、過度な重圧を抱え込むようなことはなかった。

松坂をはじめ、高校時代に村田とバッテリーを組んだ涌井秀章(中日)、筒香嘉智(DeNA)、近藤健介(ソフトバンク)と、横浜は名立たる名選手を輩出する。だが、村田は「プロが全てじゃない」と選手たちに諭す。それ以上に求めるのは「横浜高校野球部としてのプライド」である。
「OBには僕のように指導者になる人間もいれば、会社の社長さんになる方もいます。みんなプライドを持って、負けじと困難を乗り越えてきて、今がある。ここを、人生を変える場所にしてもらいたいんです」
チームの伝統である高度な野球技術だけでなく、人間教育にも重きを置く。その村田は、ただ厳しさを標榜するだけでなく、令和の高校生の感性を高めるよう努めている。
村田が痛感する「サードプレイス」の必要性
グラウンドでの練習や学校生活では自分を律しなければならないが、厳格ばかりを押し付けては逃げ場がなくなる。そこで、寮など息抜きを容認する〝第3の場所〟、つまりサードプレイスを用意することで、選手にオン・オフを自覚させた。
ほかにも「選手、指導者、保護者が一枚岩にならないといい組織は作れない」と、昨年オフには意外なイベントも開催。有名アスリートの練習を見学させ、話を聞くことで「勝者の哲学」も学ばせている。
「グラウンドだけの指導だけでなく、スポーツ観戦や映画鑑賞とか、グラウンド外のあらゆるものから学びを広げてほしいんです」
そしてグラウンドでは、大会の足音が聞こえる前から「この期間はバッティングを強化しよう」など、段階的にチームを仕上げていく。このような綿密なプランニングによって、横浜はセンバツ制覇を実現できたのである。
そのチームが5月の関東大会で敗れ、公式戦の連勝が27で止まった。村田は「勝ちたかった」と悔しさをにじませながらも、収穫を口にしていた。
「秋から『一戦必勝』と言ってきて、その積み重ねが連勝だっただけです。関東大会は、新戦力を試しながら勝ちを求めていったなかでの結果なので、後悔はしていません」
敗れはしたが、チームをブラッシュアップさせた。つまりそれは、横浜の隙がまたひとつ埋められたこととなる。

村田が先を見据え、語調を強めた。
「夏の甲子園。とにかくそこなんで」
春に名門の「復活」を印象付けた。そして夏。しっかり出場権を掴んだ横浜は「最強」の称号を掴みに行く。
「横浜のエース」とは何か?
動画では以下のようなトピックについて語っています。
- 阿部葉太選手を2年生で主将にしたワケ
- 白山高で部員を増やすために授業でやったこと
- 秋合宿で盛り上がった意外な"イベント"
- あるアスリートと村田監督の意外すぎる繋がり
- 「横浜のエース」とは何か?
- 横浜高校野球部で学ぶ意義とは?
横浜を19年ぶりに日本一へと導いた村田監督。6回の甲子園優勝を誇る名門を復活させるまでの苦悩や指導理念を語った、約40分間の動画インタビューを是非ご覧ください。
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