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「この子たちが勝って泣いたのは…」横浜高校が“まさかの激闘”を重ねて越えた「慢心」と「停滞」とは?《2025年夏・神奈川県大会密着ドキュメント》
神奈川の夏の決勝戦。
この2年間、横浜にとってそれは、心の奥底にこびりつく痛恨の記憶だった。
慶應義塾と相まみえた2023年は、2点リードで迎えた9回、際どい判定をセーフとされたことでピンチを広げ、直後に逆転3ランを浴びて敗れた。そして、東海大相模と対峙した昨年も、2点差をつけていた8回に一挙4点を奪われて屈した。
監督の村田浩明が、悔しき2年を省みる。
「『先輩たちの想いを背負って戦い抜くぞ』という話をしたことで、どうしても力んでしまったり、選手を固くさせてしまったというか。いつもの選手たちじゃないような試合の入りをしてしまって、それで負けたという反省がありました。だから、今年は『この代はこの代で決勝に挑もう。過去を振り返るな』と選手に言いましたし、自分にも言い聞かせました」
2年連続で神奈川の覇権を争うこととなった東海大相模との決勝戦。3回を終わって0-3とリードされていても、横浜は監督も選手も泰然自若としていた。
「9回までは長い旅だから、いろんなことが起こる。しっかり歩んでいこう」
監督の言葉に、煮え湯の味をよく知る選手たちが応える。
まずは奥村頼人だ。3点を先取された直後の4回表。逆転の口火を切る2ランを放った4番バッターが、その教訓を体現する。
「去年と逆に考えれば、点差があっても逆転できるので、あまり焦りはなかったです」

平静を貫くチームはこの回に4点、5回にも3点を追加して主導権を握る。そして7-3のまま迎えた8回、事実上、試合を決める一打を見舞ったのが、3番バッターを担うキャプテンの阿部葉太だった。
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