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「改めて成長を実感しています」宇野昌磨18歳の“確信”とは何か…三原舞依17歳「復活→歓喜」の内面も《インサイドレポート/2016年》

五輪プレシーズンが開幕──。
この言葉に選手達はどんな思いを抱くのだろうか。トップ選手にとっては、培った経験を安定感にするか、追われる焦りを感じるか、シビアな精神の戦いの時間だ。一方の若手は、強気で挑戦しトップ選手に追いつけるか、それとも将来有望で終わるのか、一刻の猶予も許されない17カ月である。
複雑な思いが交錯する今季。本格的な戦いの皮切りとなるスケートアメリカは10月21日、シカゴ郊外で開幕した。それは、「五輪への伏線」と呼ぶに相応しい、したたかな攻防が繰り広げられる大会となった。
早くも、将来有望から五輪メダル候補へと“格上げ”に成功したのは、18歳の宇野昌磨だ。今年4月に世界初の4回転フリップを成功したばかり。今季は表彰台に1つでも多く乗りたいタイミングである。
宇野は開幕より1週間以上も早くシカゴ入りし、北米で練習を重ねた。もともと朝が弱いタイプの宇野にとって、14時間の時差の上に、午後に試合を行う北米は、時間が何よりの敵だったのだ。
「日本と同じように身体が動けているし、体力も落ちていない。調整の仕方は間違ってなかった」
ショート本番朝の公式練習は、半分目を閉じたままの宇野が重たそうに身体を動かし、4回転フリップはなかなか決まらない。しかしこれで良かった。朝眠いのは、時差調整に成功した証拠だからだ。
そして本番、“計画通り”気迫に満ちた表情で宇野は現れた。冒頭の4回転フリップを成功させると、ますます身体が動いた。「4回転トウループ+3回転トウループ」では、まるで時を止めたかのように雄大な4回転の放物線を描く。続けて3回転を跳んだ瞬間、無心だった脳裏に欲が芽生えた。
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