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「スポーツドクターの本当の仕事とは?」肘と肩、脳振盪のスペシャリスト、そして“患者”工藤公康が語る存在意義「少年野球のピッチャーでも手術が増加」

2025/04/09
左から朝本俊司、山崎哲也、工藤公康
競技レベルの向上に伴い、つきまとうのがケガのリスク。そうした不安に寄り添うのが、スポーツ医の役割だ。肩・肘の専門家と脳振盪のエキスパート、そして治療を受けた元選手に、その存在意義を聞いた。(原題:[アスリートを支える医師]復活の鍵を握るスポーツドクターという仕事)

 現代において、「スポーツ」と「医学」は切っても切れない関係にある。競技に伴うケガや故障の診断と治療はもちろんだが、ケガの予防、さらには実力を高める上での医学的理論の修得、あるいはドーピング防止などの面からも、医学がスポーツに関わる場面は増えている。

 横浜市金沢区にある横浜南共済病院のスポーツ整形外科部長・山崎哲也医師は、トミー・ジョン手術に代表される外科手術を数多くのプロ野球選手に行ってきた、肘と肩の治療のスペシャリストだ。

「大学時代はスキー部でした。野球は子どもの頃に遊びでやった程度で、はっきり言って素人です(笑)。整形外科医になって最初に研修した病院で私のボスになったのが、故・高澤晴夫先生。早稲田大学ラグビー部のチームドクターをしている先生でした。普通、整形外科医は肩とか脊椎とかパーツごとに専門が分かれるのですが、高澤先生は“全身を診る”という方針。弟子の私もそうなっていきました」

 2000年に医局の人事異動で現在の病院に移って来た山崎医師。当時の故・山田勝久院長がベイスターズのチームドクターだったことから、プロ野球選手の症例数が急増する。対象球団もベイスターズだけに留まらない。選手やトレーナーのクチコミでセカンドオピニオンを求める選手が増加し、現在はDeNAの他に楽天、巨人、ロッテ、オリックス、ソフトバンクともアドバイザリー契約を交わすに至る。球団の垣根を越えて、全国から選手がやって来るのだ。

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photograph by Ichisei Hiramatsu / Tomosuke Imai

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