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「大会で勝てるライディングを意識して」サーフィン・松田詩野が明かしたロス五輪「メダル」への強い思い《東京五輪の失意を超えて》

2025/03/30

 サーフィン女子日本代表として2024年パリ五輪に出場した松田詩野(TOKIOインカラミ)が、'28年ロサンゼルス五輪でのメダル獲得を見据えて再スタートを切っている。

 3月上旬に千葉県鴨川市で行なわれた日本代表選考会にあたる合宿に参加。4月に代表発表が予定されているワールドゲームズ(9月、エルサルバドルで開催。世界選手権に相当)に向けて持ち味のスピードと柔軟性を活かしたライディングを披露し、4年連続6度目の代表入りをアピールした。オフにはオーストラリアやインドネシアで練習し、「日々やっているトレーニングのお陰で調子が良く、体もよく動いている」と笑顔だ。

 この冬、強化の方向性を大きく変える取り組みを開始した。パリ五輪の会場だったフランス領のタヒチ・チョープーは高さ7mに達する「チューブ(筒)」状の波が特徴。水量も多いタフな波を攻略するため、パドルの強化を目的として肩周りの筋肉を鍛えたほか、下半身にも重量をつけてきた。

 ロサンゼルス五輪の会場はタヒチから一転し、「ビーチブレイク」と呼ばれる海底が砂のサーフポイント。波の高さはタヒチほどではないが、その分、素早いターンや的確なライン取りが必要とされるため、機動性が重要になる。松田は「パワーも大事なので引き続き鍛えますが、今はそれ以上にしっかり自分でコントロールできるようなモビリティ(機動性)のトレーニングの割合を増やしています」と語る。

 タヒチが多くの選手にとって“特別な波”であったのに対し、松田は「ロサンゼルスの波はトップ選手なら誰もが一度は経験したことがあるし、いつでも練習にも行ける場所。その中でどれだけ自分のスキルを上げていけるか」という観点を持っている。加えて、ビーチブレイクは海底が砂のため常に動いており、日によって波質が変化するのも特徴。「どんな波でも自分のスキルを出せるライディングを意識して練習しています」と力強い口調だ。

 高得点が出るライディングの研究にも余念がない。

「タヒチはバレル(チューブ)の深さやテイクオフのクオリティで点がついていましたが、ロサンゼルス五輪ではビーチブレイクでのターンやマニューバー(ライン取り)のスキルに寄った点数の付け方になるので、そこにフォーカスしています。誰のどんなライディングにどんな点が出るのか。それをしっかり見るようにして、点が出るライディング、大会で勝てるライディングを意識して乗ることを課題としています」

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photograph by Yumiko Yanai

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