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「彼の鼓動を確かめたかった」大谷翔平やフリーマンの起用、大胆な継投…ロバーツ監督はなぜ楽天的な決断ができるのか?《指揮官の能力に迫る》
2024/11/14
スター選手を集めただけで、頂点を極めることはできないだろう。ドジャースは前向きで明るい指揮官が、選手の能力を引き出し、批判に臆せず自らの采配を信じたことで、栄冠を手にした。(原題:[指揮官の肖像]デーブ・ロバーツこのリーダーだからこそ。)
デーブ・ロバーツ監督にとっても、ワールドシリーズ制覇は待ちに待った悲願達成だった。就任9年目で2度目の制覇だが、前回はコロナ禍で60試合に短縮された2020年だったため、十分な評価は得られなかった。それだけに「これで注釈付きの制覇と揶揄されることもない」と喜びを爆発させた。
そんな監督のワールドシリーズを、高校時代から旧知の間柄でニューヨーク・タイムズ紙などに寄稿しているスコット・ミラー記者に振り返ってもらった。
「ポストシーズンが始まったら、みんなでアクセルを全開にして突っ走りたい」
レギュラーシーズンが終わるころにロバーツが言ったその言葉が、強く印象に残っている。今季こそはという思いが、胸の内にあったと思う。チームは総年俸メジャートップ3に入り、絶大な戦力を誇るものの、ケガ人が続出し、ポストシーズンを勝ち進めると予想する者はほとんどいなかった。それでも「このチームは、私が今まで監督した中でも最高クラス。勝負にかける情熱と意識の高さも群を抜いている」と自信を口にしていた。
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photograph by Getty Images