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日本バレーを進化させた“石川祐希エフェクト”とは?「強い星の下に生まれている」「戦術オプションが確実に増えた」《代表抜擢者らの証言で辿る10年》

2024/10/12
2014年6月に強化指定選手に選ばれた石川
男子バレーの長い冬の時代から潮目が変わったのは石川祐希が日本代表に抜擢された2014年のこと。その存在はどのように世界と渡り合う力を生んだのか。変革をもたらした若者の影響力を、当時の指導陣が語る。(原題:[代表ブレーンが明かす]日本バレーを進化させた「石川エフェクト」という光明)

 変わる。必ず変わる。あの若者ならば、閉塞感に包まれた暗い歴史を書き換えてくれるに違いない。

 かつてない希望、未来に向けた大いなる期待感こそ、石川祐希が日本の男子バレーボール界にもたらした最大のもの――。そう言って差し支えあるまい。

「期待どおり。いや、その活躍は期待以上と言っていいかもしれない。ネーションズリーグとはいえ、日本を世界大会の表彰台に立たせたわけですから。それも銀。これはすごいことです」

 日本バレーボール協会の男子強化委員会委員長を務める南部正司が声を弾ませる。指揮官として日本代表を率いた時代、まだ大学1年生だった石川を日本代表に抜擢した張本人。2020年の東京五輪に向けた強化指定選手《Team CORE》の一角に石川を選んだ。あれは'14年6月だから、ちょうど10年前のことになる。

「東京五輪でメダルを狙うならば、それにふさわしい選手をそろえる必要がある。そうした逆算から石川たちの抜擢に至りました。日本には石川がいる、というくらいの存在になれなければ、絶対にメダルなんか獲れない。彼は一歩ずつ着実に成功の階段を上がってくれている」

大きな壁から逃げも隠れもせず、敢然と乗り越えていく向上心。

 若き日の石川は抜群の球技センスを備えていたという。アクションの一つひとつが自然体で、ムダがない。何より、体の使い方も実にしなやか。まるで“人球一体”といった趣。彼が天賦の才に恵まれているのは、誰の目にも明らかだった。

「身長は世界的には高くないですが、優れた運動能力を備え、オールラウンダーになり得る素質を持っていました。スパイクから何から、すべてのものを持ち合わせていましたからね。おそらく他の球技をやっても大成したんじゃないかと思います」

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photograph by AFLO

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