「『ブルーロック』を再現した!」とたびたびSNSを賑わせているのが、パリ五輪で不動のエースとして最前線に君臨した、この若き点取り屋である。今まさに日本代表で生き残りをかけて戦う男が目指すストライカー像とは。(原題:[現役ストライカーに訊く]細谷真大「折れない心が一番大事です」)
――さっそくですが、『ブルーロック』はご存知ですか。
「アニメで見ました。オレンジ髪が結構好きですね。左足のシュートが強烈なやつ」
――漢気ある國神錬介ですね。
「正々堂々としていて、悪いことは好きじゃないっていうキャラがいいなと」
――では、細谷選手のプレーが「まるで凪誠士郎」と話題になっているのもご存知?
「ヴェルディ戦ですか」
――ええ、8月の東京V戦です。体のやや後方にきたボールをクロスさせた後ろ足でさわり、前方へ運んだ神業トラップでした。
「ちょうど動き出したタイミングですごくいいボールが来たので、完璧に凪みたいな感じになりましたね(笑)」
――覚醒したときの糸師凛に似ているという声もあります。
「舌ですかね。小学生の頃から、プレー中に口が開いて舌が出ちゃうんですよ」
ネルシーニョ監督に褒めて伸ばしてもらった“推進力”。
――その凪も國神も凛も、自分の特長を把握して成長していきますが、細谷選手は自分の武器をどう捉えていますか。
「裏への抜け出しや推進力といったところです。推進力はサッカーを始めた頃から、ずっと強みだと感じながらやってました」
――当時もFWですか。
「小学生のときはずっとFWです。中高とレイソルに入って、最初はサイドハーフで徐々にFWになりました。抜け出しは得意だなという程度だったのが、ネルシーニョ監督に繰り返し言われてすごく伸びて。プロになってから一番の武器になりました」
――推進力はパリ五輪でも発揮されました。マリ戦でゴールにつながったのが、右サイドでの力強いドリブル。
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photograph by Hirofumi Kamaya