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【インタビュー】柔道100kg超級・斉藤立「日本人でリネールを倒せるのは俺しかいない」《最強で唯一無二の父のような選手になるために》
パリで初めての五輪に挑む男子100kg超級の斉藤立は、2022年に全日本選手権を初制覇すると、同10月の世界選手権で銀メダルを獲得。さらに同12月のワールドマスターズではオール一本勝ちで初優勝を果たし、世界トップレベルの実力を証明した。
しかし、昨年は膝や太ももの怪我の影響もあり、個人戦では国際大会で無冠に終わってしまった。
「昨年の5、6月ぐらいですかね。技のかけ方を忘れてしまったというか、分からなくなってしまうくらいスランプに陥ってしまって。『これはまずいな』『本当にシャレにならないな』と思ったし、こんな状態でやっていけるのかと半信半疑でした」
絶不調の中での内定に「俺でいいんか?」「俺しかおらんやろ」
最悪の状況の中、8月にはパリオリンピック代表に内定した。それまでの実績が評価された形だ。
「まだ決まらないだろうって思っていたのでびっくりしました。しばらく優勝から遠ざかっている状態で代表に決まったので、批判もされたし……かなり悔しかったですね。練習をしていても『俺でいいんか?』と考えることも何度もありました。そう思う一方で、『やっぱり俺しかおらんやろ』という気持ちもあったり。メンタル面でのダメージがかなり大きかったし、きつかった。今年3月のグランドスラム(GS)アンタルヤ大会の前までは引きずっていましたね」
GSアンタルヤ大会では、'12年ロンドン、'16年リオの金、'21年東京五輪の団体金メダルを含め、五輪で計5個のメダルを獲得しているフランスの絶対王者、テディ・リネールと対戦した。決勝で優勢負けを喫したものの、斉藤は「この感覚や!」と復活への手応えを掴んだという。
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